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【鬼滅の刃】20巻『第178話』<手を伸ばしても手を伸ばしても>

第178話<手を伸ばしても手を伸ばしても>

①縁壱は行方不明となり巌勝は約10年間平穏に過ごす→鬼の襲撃から縁壱に助けられる

②強さを求め鬼殺隊へ入り痣発現するも日の呼吸は使えず→無惨に勧誘され鬼に

③鬼になっても縁壱には勝てず、自分は何の為に生まれたのか分からないまま消滅

 

 

【主な登場人物】

・縁壱

巌勝

 

【詳細・感想】

黒死牟、縁壱の形見である笛を残して消滅してしまいました…。家を捨て、妻子を捨て、人間であることを捨て、子孫(無一郎さん)を斬り捨て、侍であることも捨て。。

ここまでしても結局縁壱に勝つ事が出来なかった彼は、最後の最後まで双子である優秀な(優秀過ぎる)弟との比較を続け、その差に落胆し、ついには「自分が何の為に生まれて来たのか」と縁壱に問いながら消滅するという、何とも切ない幕切れとなりました。。

 

物語を少し振り返ります。

 

母の死後、縁壱は寺へと向かっていた筈で、父は連れ戻すように使いを送りますが見付からず、行方不明となります。恐らく追手が来ると読んだ縁壱は最初から寺へは向かわずにどこか(あてもなく)彷徨ったのでしょう。

 

常々弟の存在自体を否定していた巌勝は計らずしも願いが叶うかたちとなり、それから10年余りの平穏な日々が続き結婚し子供にも恵まれます。普通に暮らしていたということは父からの剣技指導などは続いていたのでしょうか…なんかそうじゃないような雰囲気が漂っていますが。。

 

ある日、鬼に襲われているところを縁壱に助けられ久々にご対面を果たし、再び妬みと憎しみが募りまくります。。助けて貰って感謝ではなく見た瞬間に憎悪って…もうどんだけ嫌いなのよ、と。。

巌勝は自分も強くなりたいと、家も妻も子も捨て、縁壱と同じ鬼狩りとなる道を選びます。もうゾーンに入ってしまった彼を誰も止められなかったのでしょう。。

 

縁壱は誰にでも剣技や呼吸を教えますが、やはりそこは天才ですから、当然誰も彼と同じようには出来ませんでしたが、縁壱はそれぞれの者が得意であることできることに合わせて呼吸法を変えて指導していたようです。“ナンバーワンにならなくてもいい、元々特別なオンリーワン(古っ)指導法”とでも言いましょうか。

こうして日の呼吸の派生の呼吸が次々とできあがり、痣を発現する者も増え、鬼狩りの戦力は高まっていきました。

 

巌勝にも痣が発現しますが結局日の呼吸は使えず、月の呼吸(と後に自分で?名付けた)という派生が使えただけという口惜しい思いをしていたところ…痣を発現した者たちが次々と死に始めます

 

痣は寿命の前借りに過ぎず、全盛期はすぐに終わることが判明し、未来が無いと感じていたその時…無惨に出会います

時間が欲しいと望む巌勝と、呼吸を使える剣士を鬼にしたいという二人の思惑は一致し、夢が叶った瞬間です。この時は相当ヒャッハー感を味わった事と思いますが、結局は80歳を超えた縁壱に勝つ事は出来ず、憎しみだけが募りました。(でも笛は大事に持っている)

 

最期の最後まで答えを見付けられなかった哀しい彼でしたね。。結局同情すること無く終わってしまいました。。双子の方なら少しは気持ちが分かるのでしょうか??

人と比べて生きる事に執着した哀れな末路…やはり目指すはナンバーワンではなくオンリーワン(古っ)なのでしょうか。

 

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